日本ギャスケル協会(編)
『生誕200年記念 エリザベス・ギャスケルとイギリス小説の伝統』
(大阪教育図書、viii+384頁、2010年9月29日、4,200円)
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目 次
- 注 記
- 序 文 鈴江璋子
- 第一部 物語る姿勢
- 第1章「リアリズム再考――ギャスケルはオースティンの娘か?」松岡光治
- 第2章「本当は怖いギャスケル――ゴシック作品の特質」廣野由美子
- 第3章「『北と南』――「声」と「沈黙」のはざまで」猪熊恵子
- 第4章「『シルヴィアの恋人たち』における視線」齊木愛子
- 第5章「『妻たちと娘たち』の絶対解釈――原作者の意図を探る」大野龍浩
- 第二部 人間関係の渦
- 第6章「ギャスケル、コリンズ、ディケンズの描くオールド・メイドと女同士の絆」田中孝信
- 第7章「「母殺し」のプロットとギャスケル――母のボイス、娘のボイス、そして女性のボイスを求めて」木村正子
- 第8章「ギャスケル作品における再婚の進化」武井暁子
- 第9章「父と娘の情景――『暗い夜の事件』、『メアリ・バートン』、『妻たちと娘たち』をめぐる一考察」中村美絵
- 第10章「『荒野の家』の二つの家族――ブラウン親子を中心に」直野裕子
- 第11章「父から娘に受け継がれるもの――ギャスケル文学にみる父と娘の関係」宇田朋子
- 第12章「『ルース』におけるジマイマとファーカーの結婚」越川菜穂子
- 第13章「自然が救うギャスケルの男性たち――『妻たちと娘たち』のロジャーを追いながら」栂 正行
- 第三部 社会を見る目
- 第14章「ギャスケルとメリトクラシー――セルフ・ヘルプと進化論」波多野葉子
- 第15章「ギャスケルにとっての超自然現象」中村祥子
- 第16章「変化の記録者としてのギャスケル――変化の時代と女性」矢次 綾
- 第17章「『メアリ・バートン』にみるギャスケルの教育観」玉井史絵
- 第18章「理想の女性像――初期の作品「ベッシーの家庭の悩み」を中心に」多比羅眞理子
- 第四部 フェミニズム
- 第19章「『ルース』におけるギャスケルのプロ作家としての責任」金丸千雪
- 第20章「マーガレットの到達点――父の意向を実践して」川上真巳子
- 第21章「『北と南』に見られる女性問題――ヒロインの結婚への決意を通して」足立万寿子
- 第22章「『魔女ロイス』における史実とフィクション」木村晶子
- 第五部 伝記文学
- 第23章「ギャスケルのジャンル論――十八、十九世紀の伝記に見る歴史記録と小説」宮丸裕二
- 第24章「ギャスケルが語らなかったもの――『シャーロット・ブロンテの生涯』における手紙のトリック」芦澤久江
- 第25章「女のペンのポリティクス――『シャーロット・ブロンテの生涯』」市川千恵子
- 第26章「『シャーロット・ブロンテの生涯』の争点を考える」松原典子
- 第六部 主題の共有と継承
- 第27章「批評史における社会問題小説家ギャスケルの誕生――レイモンド・ウィリアムズとアーノルド・ケトル」閑田朋子
- 第28章「ユニテリアンであること――良心との葛藤」関口章子
- 第29章「ギャスケルのゴシック短篇における「身体」について」侘美真理
- 第30章「『北と南』とロマン主義時代の歴史小説」鈴木美津子
- 第31章「旅立ち、それぞれの居場所探し――『妻たちと娘たち』における成長のバリエーション」松村豊子
- 跋 文 東郷秀光
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