英語の4技能の中で、スピーキングはインターネットから得られる成果が最も少ない、インターネットとはまったく関係ない分野のように思えます。電子メールが非常に口語的表現を使うとはいえ、残念ながら対面的コミュニケーション特有のリアリティーには物足りませんし、その会話的な利用価値もまた、よく使われる表現をカット&ペイストしたファイルを見ながら覚えること位にしか見出せないでしょう。
しかし、「チャット」と言われるネットワーク上でのリアルタイムのメッセージのやりとりは、体験すれば即座に理解できるように、まるで井戸端会議の場にでもいるかのような気にさせてくれます。自分の関心のあるチャット・ルームに入ると、その部屋の大きさによっては様々な国籍からなる数十人から数百人が、「おしゃべり」をしている現場に直面します。ここでなされる会話は、2~3人の会話というよりは、テレビ討論会のようにかまびすしいものです。参加者たちはたった一語から長くてもワン・センテンスしか話し(書き)ません。そこで使われる表現は、次々と流れていく会話の中に割り込むために、省略や略語に満ちていています。例えば、少しでもキーボードを打つ時間を節約するために、小文字だけを使用したり、"before" の代りに "be4" と表記したり、「わっはっは!」の感情を "LOL" (Laughing Out Loud) で示したりします。百聞は一見にしかず、とにかく一度チャット・ルームに入ってみましょう。とにかく、いきいきした会話表現が矢継ぎ早に飛び込んできます。チャットはインターネットの中で一番ヴァーチャル・リアリティーが強いと言ってもいいかもしれません。
チャットで最もポピュラーなのが IRC (Internet Relay Chat) で、ここでは世界中の数万人ものユーザーが、毎日さまざまな話題に関して会話をしています。 学生たちは概して電子メールよりチャットの方が好きなようですが、英語のチャットにタイミングよく自分の言葉を入れるのは結構むずかしく、うまく入った時は感激しています。サーチ・エンジンの世界的権威である "Yahoo!"(ちなみにヤフーとは『ガリヴァー旅行記』に登場する人間の形をした野獣のことです)が提供するチャットは特に有名で、その一例を次に挙げます。世界中の妊婦さんが参加して行なっているチャットです。
Yahoo! のチャットに参加するためには、最初に簡単な登録をしなければなりません。では、ここで http://chat.yahoo.com/ にアクセスし、"Sign me up!" をクリックして登録してみましょう。次回からは登録した "Yahoo! ID" と "Password" とでログインでき、自分の好きな話題のチャットに参加できます。
姓名のつなぎはハイフンではなく、アンダーバー(Shift キーと「ろ」のキーを押す)にしてください。
郵便番号 (Zip Code) は空白のまま、日本人は "this form" をクリックしなければなりません。現われたページの途中から、具体的には下の例のように、国名を選ぶことからフォームの記入を再開します。"3. Review and Submit" の上にある "Yes, please contact meusing:" は "Please don't contact me." のボックスをチェックすることをお勧めします。最後に "Submit this form" をクリック。