- 勉強は本来、自分のためにするのではなく、社会に役立つ人間になるためにするものではないでしょうか。社
会や周囲の人の役に立っているという意識ほど幸せをもたらすものはありません。とはい
え、社会奉仕という高邁な目標に向って努力するのは、たいへん苦しいものです。英語に
関しても、あるレベルに達するまでは、自分のために勉強するという意識しか持てないの
が実情でしょう。いずれにせよ、苦しい勉強を継続させるには、何かモーティベーション
(動機づけ)が必要です。外国人と流暢に話したい、留学したい、その他いろいろな動機
づけがあるでしょう。それは、不況の昨今、就職に有利になるように、検定試験で高いス
コアを取りたいといった現実的な動機でも、あるいは外国の奇麗な(ハンサムな)人と結
婚したいといった不純な動機でも、構わないと思います。とにかく、モーティベーション
のない英語学習は身につきません。第一志望の大学に合格したいという強力な動機は、あなたの英語
力を短期間に高めてくれたはずです。大学の英語の授業は、しぶしぶ単位取得のためだけ
に受けたのでは、あなたの英語力を弱めることはあっても、高めることはないでしょう。
ですから、大学合格に代わる何か強いモーティベーションが必要です。例えば、外国の友
だちを作ることがあります。同世代のペンパルを作って、電子メールでコミュニケーショ
ンできれば楽しいはずです。自分の関心のあるメーリングリストに入れば、同世代のペン
パルはすぐに見つかります。ぜひ、試してみてください。英語のメル友の見つけ方は、Google で "penpal" を鍵語にして検索すれ
ば、無料の紹介サイトがたくさんヒットします。あるいは、私の Japan Penpal Club にメッセー
ジを書き込めば、すぐに何通かの返事が来るはずです。毎日、英語のメル友から返事が来
るように、最低4~5名の相手を見つけてください。Yahoo! の Pen Pals / Correspondence / Pen Pals も利用してください。
- ある程度の単語数を身につけていないと、英語学習も苦痛なものとなります。とはいっ
ても、大学受験前のように無理に暗記すれば、大学入学後しばらくすると忘れてしまった
ように、単語力はみるみるうちに衰えてしまいます。それではいけません。自分の興味の
ある分野の雑誌やペーパーバックを読んで、自然と単語数が増えるようにしたいものです。
40年前に名大を受験した人は1万語、20年前は6千語を覚えていたのに、現在は4千語だ
と言われています。楽しく英語をやるために、やはり6千語以上は必要です。日本語には
カタカナで表記される英語の外来語が2千ほどあります。これらは日常生活で何気なく使用され
ているので、私たちも何となく理解した気になっています。そのカタカナの外来語を
いつも漢字/ひらがなに直してみる習慣をつけてください。眼前にネットの世界が広がっていれば、
いつも英辞郎やウィキペディア
で確認してください。また、ある単語を辞書を引いた時は、その派生語を一緒にチェックすると同時に、
その反意語および同意語と一緒に暗記してください。一石二鳥を狙う訳です。単独で憶えると
即座に忘れてしまいますが、思い出す何か糸口があれば、想起できるはずです。
単語の接頭辞や接尾辞の意味も積極的に憶えましょう。英単語の簡単な語源の本(例えば、
清水建二『連想式でみるみる身につく語源で英単語』)
を読んで憶えれば、語彙数は飛躍的に増えるだけでなく、未知の単語にも対処できるようになります。
- 高校時代にマスターしたはずの基礎的な英文法が全般的に弱いという印象を強く受け
ます。家庭教師などのアルバイトを利用しながら、もう一度しっかり基礎力をつけ、自分
なりの文法体系を作るように努力してください。人に教えるために勉強すれば、必ず身に
つくはずです。不明な箇所は、少し詳しい解説書などを使って自分で調べたり、授業のあ
とで担当の英語教官に尋ねてください。解説書は金子書房から出ている江川泰一郎(東京学芸大名誉教授)
の『英文法解説(改訂三版)』
が昔から定評があり、値段(1,700 円)も手頃で大抵の疑問に答えてくれます。ただし、これは
受験英語のロングセラーであると同時に、高校の英語教員のバイブル的存在なので、昨今の
大学生にとっては数多くの高校の進学校で使用されている石黒昭博(同志社大学名誉教授)監修の
『総合英語 Forest(第6版)』
(桐原書店、1,450円)の方がいいかも知れません。
- 授業に際しては、大学生として高校時代の辞書には載っていない専門用語やその他の語
彙を調べる必要がありますので、また専門の授業で外書講読もありますので、必ず研究社
の『リーダーズ英和辞典
(第2版)』(収録語数27万語)を買ってください。携帯版のわりには 7,600 円とち
ょっと高いですが、社会人になってもずっと使えます。専門語や固有名詞を考えると、高
校時代の辞典では不十分です。更に詳しいものでは、同じ研究社から出ている『リーダーズ・プラス』
という19万語を収録した百科全書的色彩の濃い事典があります。
また、
高校時代の電子辞書を買い替える場合、上記の
『リーダーズ英和辞典』と『リーダーズ・プラス』が入っているものを必ず買うようにしてください。
ウェブ上には『英辞郎』というプロの翻訳者・通訳者
で構成される EDP (Electronic Dictionary Project) 制作の英和辞書がありますので、
こちらも利用してください。
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